作業指示が徹底されず

去年、神奈川県のＪＲ川崎駅構内で、回送電車が作業用の車両と衝突して脱線した事故で、国の運輸安全委員会は、線路が閉鎖されていないのに車両の運転手が線路内に入れると思い込んで車両を進入させたことや、工事の関係者の間で作業の指示が徹底されていなかったことが原因だとする事故報告書を公表しました。
去年２月、ＪＲ京浜東北線の川崎駅構内で、回送電車が作業用の車両と衝突して脱線し、先頭車両が横転して運転士ら２人がけがをした事故について、運輸安全委員会は事故報告書を公表しました。
それによりますと、事故当時、現場の線路は閉鎖されておらず、作業用の車両の運転手が誘導の担当者から移動の指示を受けた際、線路内に入れると思い込み、誘導がないまま車両を進入させたとしています。
また、誘導の担当者が車両が入ってもいい範囲を明確に指示していなかったと推定されるほか、工事の管理者を含む関係者の間で線路の閉鎖に伴う作業の指示が徹底されていなかったとしています。
そのうえで運輸安全委員会は再発防止策として、ＪＲ東日本に対し、線路の閉鎖や工事の着手などについて関係者の間の指示を明確にするとともに、作業が適切に行われているか再確認することを求めています。