プーチン露大統領が年次演説 トルコ「何度も後悔する」

ロシアのプーチン大統領は３日、クレムリンで上下両院議員や地方首長らを前に年次教書演説を行い、シリアでの空爆作戦に参加していた露軍機の撃墜をめぐってトルコを改めて非難した。

　プーチン氏は、「（同国指導部は）何度も後悔するだろう」と述べて対トルコ制裁の拡大を示唆し、両国関係の冷え込みは長期化する公算が大きくなった。

　ロシアはすでに、トルコからの農産品輸入禁止や渡航自粛、建設分野への参入制限といった経済制裁を発表している。プーチン氏は演説で、露軍機撃墜を「戦争犯罪」「テロリストとの共謀」と称し、「トマトや建設分野などの制限で済まされると思ったら大間違いだ」と述べた。

　プーチン氏は「トルコで誰が私腹を肥やし、テロリストに稼がせているのかは分かっている」とも発言。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」からの石油密輸にトルコのエルドアン大統領と親族が関与している－との露国防省の主張を念頭に置いているとみられる。プーチン氏は国際的な「対テロ連合」を改めて呼びかけた一方、「二重基準」や「テロ組織との接触」は許されないと語った。